このページでは、ACE Studioで楽曲をAIで生成する手順を解説します。

ACE Studioで提供されている各種AIモデルは、すべて適切にライセンスを受けたデータに基づいて学習されています。

公式ドキュメントにおいても、AIを用いた音楽制作の原則への支持が明記されており、クリエイターの権利を侵害しないクリーンなAIであることが担保されています。

生成された楽曲やトラックの著作権についても、作成したユーザー自身に帰属するので、商用利用を含め、安心してご自身の作品に活用することが可能です。

Inspire Meの起動

ACE Studioの楽曲生成機能「Inspire Me」は、適切にライセンスされたクリーンな学習モデルをベースに、想像を瞬時に高品質な楽曲へと昇華させてくれます。

SunoやUdioのような性能を持ちながら、プロの現場でも安心して使えるクリーンさを兼ね備えているのが、ACE StudioのInspire Meです。

  1. 今回は、SunoやUdioのように楽曲そのものをAIで生成できる機能「Inspire Me」を試してみます。
  1. ACE Studioを起動し、画面左上のトラックにある空白部分を右クリックし、[AIツール]>[Inspire Me]の順にクリックします。

スタイルの指定

  1. 「歌詞から」をクリックします。
  1. 生成したい楽曲のイメージ(プロンプト)を「スタイル」欄に入力します。

【言語の選択について】
2026年2月現在、ACE StudioのAIモデルは英語でプロンプトを入力した方が、意図が正確に反映されやすく、生成される楽曲の精度も高くなる傾向があると感じました。

【スタイルの構成要素】
プロンプトを作成する際は、以下の要素を組み合わせることで、AIに具体的なイメージを伝えやすくなります。

・ボーカルの質感:歌手の持ち味をどう活かすか
・ジャンル・テンポ:楽曲の土台となるスタイルと速度
・楽器構成:どの楽器をメインに据えるか
・雰囲気・テーマ:聴き手に与えたい印象や物語性

【今回の記事用デモでの入力例と狙い】

今回は、透明感のある歌声を活かした、叙情的で疾走感のある現代的なポップ・ロックを狙い、以下のプロンプトを入力しました。

Female clear transparent vocals, J-pop, J-rock, cinematic, nostalgic, emotional, melancholic, piano-driven, clean electric guitar arpeggios, fast-paced drums, melodic bassline, catchy high-energy chorus, poetic atmosphere, storytelling, 170BPM.

歌詞の指定

  1. 歌わせたい歌詞を「歌詞」欄に入力します。

【構成タグで曲の展開をコントロールする】
[Intro]や[Chorus]といったタグを入れることで、AIに対して楽曲の構成を指示できます。
・[Pre-Chorus](Bメロ):今回の例ではサビの前にタメを作るために挿入しています。
・楽器の支持:(Bright piano and clean guitar riff)のように括弧書きで楽器のニュアンスを添えることで、イントロの雰囲気を指定しています。

【譜割りでキャッチーさをコントロールする】
AIがリズムに乗ったメロディーを割り当てやすくするため、フレーズを短く区切りました。
・サビの譜割り:[Chorus]の「空っぽの青を / 抱きしめて」のように、4~5音の短いフレーズで畳み掛けることで、AIがキャッチーなメロディーを割り当てられることを狙いました。

【母音を意識した高音の突き抜け】
サビのピークなど、高音を響かせたい箇所に「え」や「い」のような母音を配置しました。
・高音の誘導:「抱きしめて」や「リフレインする」など、母音が「え・い」をサビのピークに持ってくることで、突き抜ける高音が出やすくなることを狙いました。

  1. 「歌詞」の入力欄も、単なる歌詞の流し込みではなく、AIに楽曲をどう展開させるか、どう歌わせるか、というディレクションの役割を果たすようです。

【今回の記事用デモで使用した歌詞と構成】
[Intro]
(Bright piano and clean guitar riff)

[Verse 1]
飲み干したままの ぬるいコーヒー
君の抜け殻が 部屋に溶けていく
窓を叩いた 六月の雨
時計の音が 妙に響くんだ

[Pre-Chorus]
追いかけても 指をすり抜けて
形のない 答えを探してる
もういいよ、なんて 嘘をついた

[Chorus]
空っぽの青を 抱きしめて
君のいない 街を駆けていく
思い出は まだ 鮮やかなまま
胸の奥で 疼いているんだ
さよならの声が リフレインする
戻れない夏 置いてきたまま

[Verse 2]
読みかけの本 栞はそのまま
君が好きだった 歌を口ずさむ
意味なんてない 分かっているけど
心が少し 震えてしまうんだ

[Bridge]
「忘れないで」なんて 言わなきゃよかった
透明な夜が景色の色を奪う
独りきりの 夜明け前

[Guitar Solo]

[Chorus]
空っぽの青を 抱きしめて
君のいない 街を駆けていく
思い出は まだ 鮮やかなまま
胸の奥で 疼いているんだ
さよならの声が リフレインする
戻れない夏 置いてきたまま

[Outro]
藍色の秒針が 止まる
(Piano fading out)
[End]

生成

  1. 「歌詞」と「スタイル」の準備が整ったら、「生成」をクリックします。
  1. 生成には少し時間がかかります。
  1. 一度の「生成」につき2曲生成されるので、再生してイメージ通りの楽曲になっているか確認します。

Inspire Meは「ガチャ」のような側面があるため、一度で理想の楽曲が生成されなければ、歌詞やプロンプトを微調整しながら何度か試してみるのが成功の近道です。

記事内の歌詞とスタイルで生成された楽曲

2026年2月現在のInspire Meは、

・SunoやUdioに興味はあっても権利関係が気になり手が出せなかった人
・頭の中にある断片的なイメージで具体的な楽曲のスケッチを作りたいDTMer
・最短距離で高品質なコンテンツを量産したいクリエイター


には、現時点でも強力な武器になりそうな印象を受けました。
その反面、Inspire Meが本当の意味で作曲家の武器になるのは、正確なマルチトラックのMIDI出力が実現した後かなと感じます。

現状、RipX等のツールによる解析には精度の限界がありますが、Audio to MIDIの技術が進化したり、AI内部の設計図を直接MIDIで取り出せれば、創作の自由度は劇的に向上します。

今後、生成プロセスの透明化(MIDI出力実装)が進めば、Inspire Meは単なる自動生成を超え、細部までこだわりを注入できるパートナーへと昇華するはずです。

ACE Studioが切り拓く、音楽制作の未来に期待しています。