このページでは、「ACE Studio」でAIボーカルのピッチを操作する手順を解説します。

この記事はV1モデル(Verse23~24)を使用することを前提に書かれています。
V1モデルとV2モデル(Verse25)の設計思想の違いを以下の表にまとめてみました。

特徴V1モデル(従来型・制御重視)V2モデル(次世代・AI自律型)
コンセプトユーザーが指示し、AIが歌う歌詞とメロディからAIが解釈して歌う
編集の自由度極めて高い
ピッチや子音長を1ms単位で制御可能
限定的
AIの解釈が優先され、手動の微調整が効きにくい
向いている人徹底的な作り込み・デバッグ向き時短・インスピレーション向き

2026年2月現在、V2モデル(Verse25)は実験段階にあり、発音操作はブラックボックス化され、従来型のこだわりを貫こうとすると、AIが自律的に歌い方を変えてしまう、という反発も生じがちで、音質面でも劣っています。

V1モデル(Verse23~24)ならば、ユーザーがノート(音符)やピッチ曲線を描き込むことで、従来通り、それに応じた歌声を忠実に生成してくれます。

少なくとも、V2モデル(Verse25)の学習・開発が完了するまでの間は、V1モデル(Verse23~24)を使うことをオススメします。

ノートを分割する

Melodyneのノート分割ツールと使用感は近いと思います。
編集したいノートの任意の箇所を「ハサミツール」が有効な状態でクリックし、ノートを分割します。

  • 分割前
  • 分割後

直接フリーハンドでピッチを書く

他の歌声合成ソフトや、AutoTuneと使用感は近いと思います。
「ピッチ鉛筆」が有効な状態で、現在のピッチを上書きします。
(デフォルトのピッチは薄く表示されます)

  • ピッチ編集前
  • ピッチ編集後

制御点を追加してピッチを書く

UTAUのデフォルトのピッチ操作に使用感は近いと思います。

  1. 「ピッチ鉛筆」が有効な状態で再度「ピッチ鉛筆」をクリックし、「曲線描画」をクリックします。
  1. 制御点を追加を始めたい箇所をダブルクリックし、以降はクリックで制御点を足していきます。制御点を追加し終えたら、右クリックまたは[Esc]キーで完了です。
  • ピッチ編集前
  • ピッチ編集後

ピッチを平滑化する

Melodyneのピッチモジュレーションツールに使用感は近いと思います。
極端な平滑化を行うとUTAUのベタ打ちのような出音になります。
「ピッチ調整ツール」が有効な状態で、任意のノートをドラッグします。

  • ピッチ編集前
  • ピッチ編集後

ビブラートを付加する

  1. 「ビブラートツール」が有効な状態で、ビブラートを付加したいノートをクリックします。
  • ビブラート付加前
  • ビブラート付加後
  1. 左端の境界線をドラッグしてビブラートの範囲を調整、「振幅」をドラッグしてビブラートの深さを調整、「周波数」をドラッグしてビブラートの速さを調整、「位相」でビブラートの形を調整、左右の「◯」でビブラートの始まりと終わりのかかり具合を調整します。

ピッチを固定する

  1. ACE Studioでは歌詞や、子音の長さ、ノートの音高、その他パラメータの編集、ACE Studio自体の再起動を行った際にピッチが再合成されます。

    再合成の回避にはピッチの固定を行います。
  1. 「固定ブラシ」が有効な状態で、ピッチを固定したい範囲をドラッグします。

    この際、ノートやピッチ線の上をなぞる必要はありません。

ピッチを削除する

  1. これまで編集したピッチを削除したい場合は、「ピッチ消しゴム」が有効な状態で、ピッチを削除したい範囲をドラッグします。

    この際、ノートやピッチ線の上をなぞる必要はありません。
  • ピッチ削除前
  • ピッチ削除後
  1. なお、ビブラートの削除に関しては、「ビブラートツール」が有効な状態で対象のノートをクリックし、[Delete]キーまたは[Back Space]キーで削除できます。

    範囲選択し一括で削除することもできます。

ピッチを修復する

  1. 「カスタムシンガー」や「ボーカル変換」を利用していると、ピッチが正しく生成されず途切れてしまうようなケースがあります。
  1. 「ピッチ鉛筆」で不自然なピッチを手書きして修復しましょう。

2026年2月現在、ユーザーが思い描く理想の歌唱を形にするためには、まだV1モデル(Verse23~24)を利用した従来型のワークフローが制御可能性の高い制作手法だと思います。

一方で、現在実験段階にあるV2モデル(Verse25)が掲げる文脈理解や歌唱習慣の学習といったコンセプトには、歌声合成の未来が詰まっています。

AIとの対話だけで、今回のような手動エディットすら不要になるほどのクオリティに到達する日を、一人のユーザーとして心待ちにしています。

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